sun

cosmos on the table

artist

亀井玲子/木工

2021.03.31

亀井玲子/木工

    

神奈川県出身、木工作家。千葉大学デザイン工学科意匠系卒業。2009年から飛騨高山の木工家具会社に勤務し、家具をつくる仕事に携る。現在は子育ての傍ら、木で暮らしにまつわる身近なものを制作する木工作家として活動中。東京都稲城市在住。日常の暮らしの中で、素材の感触や美しさに触れてふわりと感情が揺れ動くようなものをつくりたいという思いをこめて、工房kibiとして活動中。


なぜ職人になられたのですか?
            

小さい頃から工作など、なにかつくることが好きでした。大学ではプロダクトデザインを志していましたが、もっと素材と向き合って作り方を勉強したいと思うようになり、木工家具製作の世界に飛び込みました。"実際に形にできる"ということに憧れがあり、また黙々と集中して作業することが割と好きなので、自然と作り手の道に進んでいったんだと思います。


職人になってよかったこと、大変なことをそれぞれ教えてください。
            

良かったことは、自分がつくったものがかたちに残り、誰かに使っていただけることです。木でこういうものをつくってほしい…と依頼を受け、結果つくったものを喜んでいただけるとやはり嬉しいです。大変なことは、肉体労働であることと、木工機械を使う時は常に怪我と隣り合わせであることです。慣れた作業であっても、機械加工をする時は常に緊張感が必要です。


誇れる技術について教えて下さい。
            

木工の世界は奥が深く、まだまだ学ぶことが沢山ありますが、どんな材種を選んだら適材かを考え、起こりうることを想像しながら工程の順序や加工法を考えることが腕の見せどころかなと思います。今の環境は使える機械が限られているので、機械加工だけでなく鉋や鑿を使った手加工の技術も求められます。木工の原点に立ちかえり、刃物を研ぐことや鋸や鉋で仕上げる手法も大事にしています。


制作時に意識していることや大切にしていることはありますか?
            

(漠然としていますが)偽りの無い素材本来の美しさに触れて、感情がふわりと揺れ動くようなものをつくりたいと思っています。それを日常の暮らしに取り入れることで、少し心が豊かになった…そんなものづくりをしたいと思っているので、特別な日だけでなく日常で使えて、形に飽きがこないこと、そして長い年月経っても味わいや愛着が生まれるものを目指しています。


制作の上でこだわりを教えて下さい。
            

無垢の木の感触、質感の美しさを実感していただきたいので、面の取り方や表面の磨きには気をつかっています。形に関しても、シンプルな中に凛とした美しさが出るといいなと思っているので、角度のつけ方や曲面の大きさにはこだわって、全体のバランスを探っています。結果として、量産品とは少し違う手仕事ならではの形や個性につながるように心がけています。


ご覧いただいている方へのメッセージをお願いします
            

日々の暮らしを楽しくする一品になれば嬉しいです。新品の時の美しさだけではなく、使いこむうちに味わいが生まれるという価値も"木"という素材の良いところです。木は日本人にとって古くから馴染み深い素材ですが、使っていただく中で改めて何か感じる発見があれば嬉しいなと思います。多少手間はかかりますが、お手入れすることも楽しみながら、長く使っていただけたら嬉しいです。


all